blogレモン便り

2019年12月25日

豊島レモンのジュース

黄色いレモンの旬が始まりました。寒い冬にこそ、フレッシュなレモンを食べて頂きたいと常々思っていたところ、こだわりの食材を原料にフレッシュジュースを作っていらっしゃるマルゴデリさんで、豊島レモンのジュースを提供して頂けることになりました。

豊島レモンのジュース

こちらでは生搾りのレモン果汁を使用するので、新鮮な皮の香りも一緒にお楽しみ頂けます。豊島レモンは農薬を一切使用せずに栽培されているので、皮に病害や傷が多く残るものがたくさんありますが、皆さんご存知のように、果汁には全く問題はなく、傷だらけの皮にも爽やかな香り成分がたっぷりと詰まっています。そういったレモンをフレッシュジュースとして皆さんにお届けできることをとても嬉しく、大変ありがたく思っています。

マルゴデリさんでは、岡山県を中心に、広島県、高知県の店舗でも豊島レモンをお取り扱い頂いていますので、お近くの方は是非お立ち寄り頂ければと思います。暖かい日が多い今年の冬ですが、年末年始は冷え込みが強まるそうなので、皆さん風邪を引かないようにお気をつけください!

2019年12月17日

冬らしいレモン畑の景色

瀬戸内海に囲まれた豊島では穏やかな冬晴れが続いています。農作業ははかどりますが、暖かすぎる冬は逆に少し心配になり、反動で強烈な寒波が来ませんように・・・とお天道様にお願いしています。

レモン畑の周りでは野生の雉や猪が元気に駆け回っています。ケーンという鳴き声と共に突然飛び立つ雉には頻繁に驚かされ、最近では昼間でも茂みからブヒブヒというイノシシの鼻息が聞こえてきます。島内では、イノシシに畑を荒らされて農業や家庭菜園をやめる方が多くいらっしゃり、今年は私も囲いを破られてサツマイモやスイカを食べられてしまいました。全国各地で問題になっている獣害は、統計にはでてこない家庭菜園などの被害も考えると想像以上に深刻だと実感しています。

霜が降り始めても、レモンの 樹上では茶色いカマキリがひっそりと獲物を待ち伏せしています。カマキリは卵だけが越冬して、春にはたくさんの赤ちゃんカマキリが生まれ、この時季まで様々な昆虫を捕食しながら成長します。レモン畑ではおなじみの昆虫なので、もうすぐ生涯を終えることを思うと少し寂しくなりますが、これも命の循環。また来年新しい命に出会えることを楽しみに農作業に勤しみます。

穏やかな天候が続く中、畑のレモンは日々色づきを増しています。お尻の緑はしばらく残りますが、熟したレモンは黄色というより山吹色に近くなり、香りにも甘みが出てきます。夏のイメージが強いレモンですが、寒くなるこれからの季節が黄色いレモンの旬です。 だし醤油にレモン果汁を加えた手作りレモンポン酢でいただくお鍋や、定番のホットはちみつレモンなど、栄養豊富なレモンをお料理に取り入れて、元気に冬を乗り越えましょう!

追記: 個人的なおススメは、お風呂上がりに飲む香り高いレモン水。櫛切りにしたレモン一切れを皮を下にして搾り、そののまま水の中へポチャリ。とにかく最高です。

2019年11月23日

11月のレモン

賑やかだった瀬戸内国際芸術祭が終わり、豊島に心地よい静けさが戻ってきました。秋が深まるにつれ、紅葉はより鮮やかになり、畑のレモンは深い緑から優しい黄色へ少しづつ変化しています。 昨年とは打って変わって、枝もたわわに実るレモンに感謝する日々です。

11月にお送りするレモンは緑から黄色への美しいグラデーションと、黄色く熟すことで穏やかになっていく酸味や香りの変化も楽しんで頂けます。箱にお行儀よく収まって出荷を待つレモンの姿は本当に愛らしく、いつも笑顔で送り出しています。

今期は多くの実りがありますが、昨季の暖冬の影響かどうか、レモンの果皮にコルク状の斑点ができる「かいよう病」が例年より広く見受けられます。樹上で過ごす時間が長くなればなる程、これらの病害や黒点病と呼ばれる黒い点々は雨や風によって広がり、トゲによる傷なども増えるため、無傷のレモンはとても少なくなります。

しかし、これらも自然なこと。人間も年を重ねるにつれ虫歯ができたり、怪我をしたり、様々な変化を身体に残して生きていきます。どのような外見でも新鮮なレモンは爽やかな芳香を放ち、傷ついた部分を取り除けば皮も食べられ、果汁にはまったく問題はありません。ツルツルぴかぴかのレモンも、ザラザラでこぼこのレモンもそれぞれレモンの個性として受け入れて頂けると幸いです。

2019年10月24日

グリーンレモンの出荷開始

 おかげ様で、今年もレモンの収穫シーズンを迎えることができました!早速多くのご注文を頂き誠にありがとうございます。いつも注文してくださる方々のお名前を拝見して、感謝の気持ちでいっぱいになりました。今期もどうぞよろしくお願い致します。

 艶やかでぷっくりと成長したグリーンレモンの香りは、目が覚めるような爽やかさです。 収穫量が激減した昨年と比較すると、今期は樹勢も回復して多くのレモンを実らせてくれました。冬の寒さを乗り越えることができれば、春のレモンから夏のレモンへと、来年6月頃まで少しづつ出荷を続けられそうです。

 収穫から梱包、出荷まで一人で作業をしているため、お届けまで少々お時間を頂きますが、採りたて新鮮なグリーンレモンをお送りしますので、どうぞ楽しみにお待ちください。ご注文の受付は一旦締め切らせて頂きましたが、現在頂戴しているご注文分の発送が終わりましたら、畑の状況を見ながら受付在庫数を随時更新する予定です。ご面倒をおかけしますが、時折WEBショップを覗いて頂けますと幸いです。どうぞよろしくお願い致します。

2019年10月15日

「豊島グリーンレモンの料理教室」報告

去る10月5日(土)、秋晴れの清々しいお天気の中、グリーンレモンの料理教室を開催しました。今回も県外から多くの方々に参加して頂き、実り多きイベントとなりました。

まず最初に、豊島レモンの栽培がどのように始まったのか、そして、栽培にあたり何を大切にしているのか、生産者からお話しをさせて頂きました。慣行栽培、有機栽培、減農薬栽培、自然栽培等々、その他にも栽培方法の呼び方は多くありますが、実際は生産者の数だけ栽培方法があり、生産物に対する思いもそれぞれです。私達はレモンが植物として本来持つ力を活かしながら、土壌への施肥は行わず、農薬や除草剤も使わず、剪定と芽かきによって樹勢を保つ栽培方法を取り入れています。豊島の美しい自然と共存しながら栽培される豊島レモンを、これからも豊かな島の象徴として未来に繋げていきたいと思っています。

レモン栽培のお話の後は、お待ちかねの収穫体験です。 収穫前の枝もたわわに実るレモンを目にして、参加者の皆さんも大興奮。 収穫したレモンの切り口から漂う爽やかでスパイシーな香りを楽しみながら、お気に入りのレモンを探して畑を歩き回ります。 皆さんの弾ける笑顔にふれて、レモンの樹々もきっと喜んでいたことでしょう。

後半は、ゲストハウスmammaに移動してお料理教室の始まりです。先ほど収穫したばかりの新鮮なレモンをひとつづつ丁寧にすりおろすと、あっという間に部屋が爽やかなレモンの香りに包まれ、癒しの時間となりました。

レモンをすりおろしながら、今回 レモンポン酢に使用するお醤油のメーカー、(株)タケサンの方から、原料や杉樽を使ったお醤油作りのお話をお聞きしました。後半のお教室では、てしま天日塩ファームの門脇さんが立ち寄って下さり、青レモン胡椒の原料に使用するお塩の製造方法について説明して頂きました。身近な調味料だからこそ、製造過程を知ることで毎日安心してお料理に使うことができますね。

お料理の津村先生からは、グリーンレモンの苦みやえぐみがでない調理方法を丁寧に教えて頂き、すりこぎの使い方、美味しいおだしの取り方など、お料理上手になるヒントもたくさん教えて頂きました。柚子胡椒とは異なる、アジアの香り豊かな青レモン胡椒と、だしの旨みが効いたレモンポン酢はこれからのお鍋シーズンに大活躍間違いなし!

前回のレモン教室でも感じたことですが、 やはり食というものは、生産する人、料理する人、食べる人、みんなが繋がることで安心が生まれ、お互い支えあうことで成り立っていくものだと改めて思いました。今後も、このようなイベントを続けていきたいと思いますので、どうぞお楽しみに。今回ご参加下さった皆さん、ご協力下さった皆さん、本当にありがとうございました!

Copyright photo by Eri Tsumura

2019年09月16日

「豊島グリーンレモン教室」その②

豊島グリーンレモンの料理教室はレモン畑から始まります。豊島レモンがどのように栽培されているのか、実際に畑を歩きながらお話しします。地面は下草に覆われ、猪が掘った落とし穴があちらこちらにありますが、様々な生き物が暮らすとても気持ちの良い場所です。瀬戸内海の優しい潮風を感じ、鳥や虫が奏でる音を聴きながらグリーンレモンの収穫を楽しみましょう。

採りたてのグリーンレモンの香りは格別で、切り口に鼻を近づけると、その芳香に思わず笑みがこぼれます。レモンは果実だけでなく、葉や枝も爽やかでスパイシーな香りがします。対照的に、お花は金木犀のような甘い香り。レモンは四季咲き性が強く、この時期にも少しだけ花を咲かせているので一緒に探してみましょう。

黄色いレモンと比べて馴染みの薄いグリーンレモンは、食べ方がわからないとよく言われます。グリーンレモンの特徴は果皮のスパイシーな香りときりっとした酸味。今回の料理教室では、これらの特徴を生かして、柚子胡椒ならぬグリーンレモン胡椒とレモンポン酢を作ります。今回講師を務めて下さる津村さんは、レモンを使ったパンやお菓子作りもとてもお上手なので、どしどし質問をしてお料理のヒントも一緒にお持ち帰りくださいね。

普段口にする食材が、どこでどのように育てられているかを知ることで、私達は心から安心して「食べる」ことができます。化学肥料や農薬に頼らず、自然の循環に沿った方法で栽培されている豊島レモンの畑を、是非体感しにいらしてください。初秋の爽やかな好季節、皆さまのご来島をレモンと一緒にお待ちしています!

2019年08月30日

豊島レモンの香り

豊島レモンといえば、果皮の美味しさと、とびきり爽やかな香りが特徴としてあげられます。私達が日々清々しい気分で農作業に取り組むことができるのはレモンの香りのおかげ。落ち込んだ時も、いつもレモンの香りに癒されてきたので、いつかこの香りを精油にしてみたいと思っていました。そして今回、試験的に果汁を搾った後の果皮を利用して豊島レモンの精油を抽出してもらいました!

精油とは植物から抽出される、それぞれ特有の芳香をもった揮発性の天然油のことで、異なる性質や機能をもっています。例えば、レモンの精油はそのフレッシュな香りによるリラックス効果、集中力を高める効果があると言われており、アロマテラピーの本ではその他にもたくさんの効果・効能が紹介されています。

一般的に精油の抽出は水蒸気で蒸留する方法や、圧搾して絞り出す方法がありますが、今回はマイクロ波減圧蒸留法(※1)を用いることで、比較的低温でレモン果皮から香りを取り出すことができました。 レモン精油には光毒性(※2)をもつ成分が含まれていると言われますが、今回抽出した精油の成分分析をしたところ、強い光毒性をもつベルガプテンという成分は含まれていないこともわかりました。そして、気になる豊島レモン精油の香りは、爽やかさの中にも甘みが感じられるとても優しい香りでした!目を閉じると、瀬戸内海を臨むレモン畑が浮かんできそうです。

実はこの精油、レモン果皮の重量の1~0.5%程しか抽出することができないとても貴重なものなのです。精油を抽出するためには多くのレモン果皮が必要になりますが、当然ながら、栄養がたっぷり詰まったレモンの皮は食品として消費されることが一番。そこで、皮に傷や病害が多くある業務用レモンの果汁を搾る時に出る残渣を利用しています。そして精油を抽出する時にでる残渣と芳香蒸留水も再利用できるよう商品開発を進めていますので、何ができるか皆さまどうぞお楽しみに!

今回抽出した豊島レモン精油は、豊島観光協会のみで販売しておりましたが、数量限定で豊島レモンWEBショップでも販売します。ご希望の方はお早めにご注文頂けますと幸いです。

※1 マイクロ波を用いて減圧下で対象物を加熱し精油抽出を行う方法 

※2 肌につけた状態で日光などの強い紫外線に当たると、肌へダメージを与える作用のこと

2019年08月25日

「豊島グリーンレモン教室」その➀

10月開催予定の料理教室では、ご自身で収穫して頂いた新鮮な豊島グリーンレモンを使って、青レモン胡椒とレモンポン酢を作ります。レモン胡椒には主に果皮を使い、残った果汁はレモンポン酢に使います。今日は、このレモンポン酢の味の決め手となる伊吹島のいりこのご紹介です。

香川県にある伊吹島は日本一のいりこ漁の島。特級品しかないといわれるくらい質がいいそうです。それは、島の港に設置した加工場で、水揚げから10〜30分以内に釜茹でし、その後すぐに乾燥されます。その鮮度は生きたまま釜にいれられたイワシがもがき顎が外れてしまうこの表情でわかるそうです。

伊吹島のいりこ漁は 夏場約2ヶ月の間のみ行われます。伊吹島のいりこがなければ、讃岐うどんが始まらないと言われる程大切なもの。漁師さんや島の方々の頑張りが詰まった海の幸を、10月のレモン教室でも大切に使わせて頂きます。皆さま、どうぞお楽しみに!

豊島グリーンレモンの料理教室 詳細はコチラ☆

2019年08月09日

夏のレモン畑

梅雨明けから猛暑が続いていますが、皆さまいかがお過ごしですか?レモン畑では真夏の強い日差しを浴びながら、まだ小さなグリーンレモンがキラキラと輝いています。

猛暑の中、レモンの樹々の周りでは様々な生き物が活発に動き回っています。頻繁に見かけるカマキリや蜘蛛は、レモンの葉っぱを食い荒らす虫を食べてくれるありがたい存在です。

同じく頻繁に見かけるバッタやアゲハチョウの幼虫は、レモンの葉っぱが大好物という困った昆虫ですが、自然の食物連鎖の中では、彼らにも立派な役割があります。苛立つことがあっても、農薬で駆除するようなことはしません。生態系のバランスを保つためには、多種多様な生き物がいることがとても大切なのです。

こちらはとても珍しい、脱皮前の蝉の幼虫です。日没後、まだ明るい時に出てきてしまったようで、ナマケモノのようにゆっくりと動いていました。セミの抜け殻は、レモン畑の至る所にぶら下がっていますが、脱皮前の蝉を見たのは初めて。毎日農作業をしていると、珍しい瞬間に遭遇することがよくあります。

こちらもレモン畑ではおなじみのアオバハゴロモの幼虫と成虫です。幼虫はふわふわの白い綿のような分泌物に覆われていて、白髭をたくわえたおじいさんの様に見えます。成虫は若葉色の美しい羽根を持っており、最初は同じ生物だと思いませんでした。

最後の画像はアシナガバチです。先日初めてアシナガバチに刺されて、左腕が三日間ほど腫れてしまいました。アシナガバチだけでなく、スズメバチも気づかないうちにレモンの樹に巣を作っていることがあるので、夏の作業時は細心の注意を払わなければなりません。この季節、山歩きをする時など、皆さんも蜂の巣にはくれぐれもお気をつけください!

2019年06月28日

やっと梅雨入り

極端な少雨と日照りが続いた5月が終わり、雨を待ち望む日々がさらに続いた6月。四国地方もやっと梅雨入りしました!雨が少ないと下草が伸びるスピードが遅いので草刈りは楽になりますが、新しいレモンの成長の為には梅雨がとても大事。程々の雨が続くことを祈りながら、合間で草刈りは続きます。

こちらは草刈りのビフォア&アフター。この作業を春から秋にかけて、複数あるすべての圃場で3回程繰り返します。

昨年は今迄にない凶作だった為、レモンの出荷量が激減しましたが、今年は昨年よりずっと多くの花が結実したので、秋の収穫シーズンが今から楽しみです。その前に、夏の猛暑と台風をレモン達が無事に乗り切れるようお天道さまにお願いしながら、地道な草刈り作業を頑張ります。

春から夏にかけてレモンの葉っぱをかじるのはアゲハチョウの幼虫だけではなく、ガの幼虫もよく見かけます。気づかずに皮膚に直接あたってしまうと、毒針毛が刺さって大変痛痒い思いをします。どんなに暑くても、樹木に触れる時は長袖&軍手は必須です。皆さんも気をつけてくださいね。