blogレモン便り

2019年11月23日

11月のレモン

賑やかだった瀬戸内国際芸術祭が終わり、豊島に心地よい静けさが戻ってきました。秋が深まるにつれ、紅葉はより鮮やかになり、畑のレモンは深い緑から優しい黄色へ少しづつ変化しています。 昨年とは打って変わって、枝もたわわに実るレモンに感謝する日々です。

11月にお送りするレモンは緑から黄色への美しいグラデーションと、黄色く熟すことで穏やかになっていく酸味や香りの変化も楽しんで頂けます。箱にお行儀よく収まって出荷を待つレモンの姿は本当に愛らしく、いつも笑顔で送り出しています。

今期は多くの実りがありますが、昨季の暖冬の影響かどうか、レモンの果皮にコルク状の斑点ができる「かいよう病」が例年より広く見受けられます。樹上で過ごす時間が長くなればなる程、これらの病害や黒点病と呼ばれる黒い点々は雨や風によって広がり、トゲによる傷なども増えるため、無傷のレモンはとても少なくなります。

しかし、これらも自然なこと。人間も年を重ねるにつれ虫歯ができたり、怪我をしたり、様々な変化を身体に残して生きていきます。どのような外見でも新鮮なレモンは爽やかな芳香を放ち、傷ついた部分を取り除けば皮も食べられ、果汁にはまったく問題はありません。ツルツルぴかぴかのレモンも、ザラザラでこぼこのレモンもそれぞれレモンの個性として受け入れて頂けると幸いです。

2019年10月24日

グリーンレモンの出荷開始

 おかげ様で、今年もレモンの収穫シーズンを迎えることができました!早速多くのご注文を頂き誠にありがとうございます。いつも注文してくださる方々のお名前を拝見して、感謝の気持ちでいっぱいになりました。今期もどうぞよろしくお願い致します。

 艶やかでぷっくりと成長したグリーンレモンの香りは、目が覚めるような爽やかさです。 収穫量が激減した昨年と比較すると、今期は樹勢も回復して多くのレモンを実らせてくれました。冬の寒さを乗り越えることができれば、春のレモンから夏のレモンへと、来年6月頃まで少しづつ出荷を続けられそうです。

 収穫から梱包、出荷まで一人で作業をしているため、お届けまで少々お時間を頂きますが、採りたて新鮮なグリーンレモンをお送りしますので、どうぞ楽しみにお待ちください。ご注文の受付は一旦締め切らせて頂きましたが、現在頂戴しているご注文分の発送が終わりましたら、畑の状況を見ながら受付在庫数を随時更新する予定です。ご面倒をおかけしますが、時折WEBショップを覗いて頂けますと幸いです。どうぞよろしくお願い致します。

2019年10月15日

「豊島グリーンレモンの料理教室」報告

去る10月5日(土)、秋晴れの清々しいお天気の中、グリーンレモンの料理教室を開催しました。今回も県外から多くの方々に参加して頂き、実り多きイベントとなりました。

まず最初に、豊島レモンの栽培がどのように始まったのか、そして、栽培にあたり何を大切にしているのか、生産者からお話しをさせて頂きました。慣行栽培、有機栽培、減農薬栽培、自然栽培等々、その他にも栽培方法の呼び方は多くありますが、実際は生産者の数だけ栽培方法があり、生産物に対する思いもそれぞれです。私達はレモンが植物として本来持つ力を活かしながら、土壌への施肥は行わず、農薬や除草剤も使わず、剪定と芽かきによって樹勢を保つ栽培方法を取り入れています。豊島の美しい自然と共存しながら栽培される豊島レモンを、これからも豊かな島の象徴として未来に繋げていきたいと思っています。

レモン栽培のお話の後は、お待ちかねの収穫体験です。 収穫前の枝もたわわに実るレモンを目にして、参加者の皆さんも大興奮。 収穫したレモンの切り口から漂う爽やかでスパイシーな香りを楽しみながら、お気に入りのレモンを探して畑を歩き回ります。 皆さんの弾ける笑顔にふれて、レモンの樹々もきっと喜んでいたことでしょう。

後半は、ゲストハウスmammaに移動してお料理教室の始まりです。先ほど収穫したばかりの新鮮なレモンをひとつづつ丁寧にすりおろすと、あっという間に部屋が爽やかなレモンの香りに包まれ、癒しの時間となりました。

レモンをすりおろしながら、今回 レモンポン酢に使用するお醤油のメーカー、(株)タケサンの方から、原料や杉樽を使ったお醤油作りのお話をお聞きしました。後半のお教室では、てしま天日塩ファームの門脇さんが立ち寄って下さり、青レモン胡椒の原料に使用するお塩の製造方法について説明して頂きました。身近な調味料だからこそ、製造過程を知ることで毎日安心してお料理に使うことができますね。

お料理の津村先生からは、グリーンレモンの苦みやえぐみがでない調理方法を丁寧に教えて頂き、すりこぎの使い方、美味しいおだしの取り方など、お料理上手になるヒントもたくさん教えて頂きました。柚子胡椒とは異なる、アジアの香り豊かな青レモン胡椒と、だしの旨みが効いたレモンポン酢はこれからのお鍋シーズンに大活躍間違いなし!

前回のレモン教室でも感じたことですが、 やはり食というものは、生産する人、料理する人、食べる人、みんなが繋がることで安心が生まれ、お互い支えあうことで成り立っていくものだと改めて思いました。今後も、このようなイベントを続けていきたいと思いますので、どうぞお楽しみに。今回ご参加下さった皆さん、ご協力下さった皆さん、本当にありがとうございました!

Copyright photo by Eri Tsumura

2019年09月16日

「豊島グリーンレモン教室」その②

豊島グリーンレモンの料理教室はレモン畑から始まります。豊島レモンがどのように栽培されているのか、実際に畑を歩きながらお話しします。地面は下草に覆われ、猪が掘った落とし穴があちらこちらにありますが、様々な生き物が暮らすとても気持ちの良い場所です。瀬戸内海の優しい潮風を感じ、鳥や虫が奏でる音を聴きながらグリーンレモンの収穫を楽しみましょう。

採りたてのグリーンレモンの香りは格別で、切り口に鼻を近づけると、その芳香に思わず笑みがこぼれます。レモンは果実だけでなく、葉や枝も爽やかでスパイシーな香りがします。対照的に、お花は金木犀のような甘い香り。レモンは四季咲き性が強く、この時期にも少しだけ花を咲かせているので一緒に探してみましょう。

黄色いレモンと比べて馴染みの薄いグリーンレモンは、食べ方がわからないとよく言われます。グリーンレモンの特徴は果皮のスパイシーな香りときりっとした酸味。今回の料理教室では、これらの特徴を生かして、柚子胡椒ならぬグリーンレモン胡椒とレモンポン酢を作ります。今回講師を務めて下さる津村さんは、レモンを使ったパンやお菓子作りもとてもお上手なので、どしどし質問をしてお料理のヒントも一緒にお持ち帰りくださいね。

普段口にする食材が、どこでどのように育てられているかを知ることで、私達は心から安心して「食べる」ことができます。化学肥料や農薬に頼らず、自然の循環に沿った方法で栽培されている豊島レモンの畑を、是非体感しにいらしてください。初秋の爽やかな好季節、皆さまのご来島をレモンと一緒にお待ちしています!

2019年08月30日

豊島レモンの香り

豊島レモンといえば、果皮の美味しさと、とびきり爽やかな香りが特徴としてあげられます。私達が日々清々しい気分で農作業に取り組むことができるのはレモンの香りのおかげ。落ち込んだ時も、いつもレモンの香りに癒されてきたので、いつかこの香りを精油にしてみたいと思っていました。そして今回、試験的に果汁を搾った後の果皮を利用して豊島レモンの精油を抽出してもらいました!

精油とは植物から抽出される、それぞれ特有の芳香をもった揮発性の天然油のことで、異なる性質や機能をもっています。例えば、レモンの精油はそのフレッシュな香りによるリラックス効果、集中力を高める効果があると言われており、アロマテラピーの本ではその他にもたくさんの効果・効能が紹介されています。

一般的に精油の抽出は水蒸気で蒸留する方法や、圧搾して絞り出す方法がありますが、今回はマイクロ波減圧蒸留法(※1)を用いることで、比較的低温でレモン果皮から香りを取り出すことができました。 レモン精油には光毒性(※2)をもつ成分が含まれていると言われますが、今回抽出した精油の成分分析をしたところ、強い光毒性をもつベルガプテンという成分は含まれていないこともわかりました。そして、気になる豊島レモン精油の香りは、爽やかさの中にも甘みが感じられるとても優しい香りでした!目を閉じると、瀬戸内海を臨むレモン畑が浮かんできそうです。

実はこの精油、レモン果皮の重量の1~0.5%程しか抽出することができないとても貴重なものなのです。精油を抽出するためには多くのレモン果皮が必要になりますが、当然ながら、栄養がたっぷり詰まったレモンの皮は食品として消費されることが一番。そこで、皮に傷や病害が多くある業務用レモンの果汁を搾る時に出る残渣を利用しています。そして精油を抽出する時にでる残渣と芳香蒸留水も再利用できるよう商品開発を進めていますので、何ができるか皆さまどうぞお楽しみに!

今回抽出した豊島レモン精油は、豊島観光協会のみで販売しておりましたが、数量限定で豊島レモンWEBショップでも販売します。ご希望の方はお早めにご注文頂けますと幸いです。

※1 マイクロ波を用いて減圧下で対象物を加熱し精油抽出を行う方法 

※2 肌につけた状態で日光などの強い紫外線に当たると、肌へダメージを与える作用のこと

2019年08月25日

「豊島グリーンレモン教室」その➀

10月開催予定の料理教室では、ご自身で収穫して頂いた新鮮な豊島グリーンレモンを使って、青レモン胡椒とレモンポン酢を作ります。レモン胡椒には主に果皮を使い、残った果汁はレモンポン酢に使います。今日は、このレモンポン酢の味の決め手となる伊吹島のいりこのご紹介です。

香川県にある伊吹島は日本一のいりこ漁の島。特級品しかないといわれるくらい質がいいそうです。それは、島の港に設置した加工場で、水揚げから10〜30分以内に釜茹でし、その後すぐに乾燥されます。その鮮度は生きたまま釜にいれられたイワシがもがき顎が外れてしまうこの表情でわかるそうです。

伊吹島のいりこ漁は 夏場約2ヶ月の間のみ行われます。伊吹島のいりこがなければ、讃岐うどんが始まらないと言われる程大切なもの。漁師さんや島の方々の頑張りが詰まった海の幸を、10月のレモン教室でも大切に使わせて頂きます。皆さま、どうぞお楽しみに!

豊島グリーンレモンの料理教室 詳細はコチラ☆

2019年08月09日

夏のレモン畑

梅雨明けから猛暑が続いていますが、皆さまいかがお過ごしですか?レモン畑では真夏の強い日差しを浴びながら、まだ小さなグリーンレモンがキラキラと輝いています。

猛暑の中、レモンの樹々の周りでは様々な生き物が活発に動き回っています。頻繁に見かけるカマキリや蜘蛛は、レモンの葉っぱを食い荒らす虫を食べてくれるありがたい存在です。

同じく頻繁に見かけるバッタやアゲハチョウの幼虫は、レモンの葉っぱが大好物という困った昆虫ですが、自然の食物連鎖の中では、彼らにも立派な役割があります。苛立つことがあっても、農薬で駆除するようなことはしません。生態系のバランスを保つためには、多種多様な生き物がいることがとても大切なのです。

こちらはとても珍しい、脱皮前の蝉の幼虫です。日没後、まだ明るい時に出てきてしまったようで、ナマケモノのようにゆっくりと動いていました。セミの抜け殻は、レモン畑の至る所にぶら下がっていますが、脱皮前の蝉を見たのは初めて。毎日農作業をしていると、珍しい瞬間に遭遇することがよくあります。

こちらもレモン畑ではおなじみのアオバハゴロモの幼虫と成虫です。幼虫はふわふわの白い綿のような分泌物に覆われていて、白髭をたくわえたおじいさんの様に見えます。成虫は若葉色の美しい羽根を持っており、最初は同じ生物だと思いませんでした。

最後の画像はアシナガバチです。先日初めてアシナガバチに刺されて、左腕が三日間ほど腫れてしまいました。アシナガバチだけでなく、スズメバチも気づかないうちにレモンの樹に巣を作っていることがあるので、夏の作業時は細心の注意を払わなければなりません。この季節、山歩きをする時など、皆さんも蜂の巣にはくれぐれもお気をつけください!

2019年06月28日

やっと梅雨入り

極端な少雨と日照りが続いた5月が終わり、雨を待ち望む日々がさらに続いた6月。四国地方もやっと梅雨入りしました!雨が少ないと下草が伸びるスピードが遅いので草刈りは楽になりますが、新しいレモンの成長の為には梅雨がとても大事。程々の雨が続くことを祈りながら、合間で草刈りは続きます。

こちらは草刈りのビフォア&アフター。この作業を春から秋にかけて、複数あるすべての圃場で3回程繰り返します。

昨年は今迄にない凶作だった為、レモンの出荷量が激減しましたが、今年は昨年よりずっと多くの花が結実したので、秋の収穫シーズンが今から楽しみです。その前に、夏の猛暑と台風をレモン達が無事に乗り切れるようお天道さまにお願いしながら、地道な草刈り作業を頑張ります。

春から夏にかけてレモンの葉っぱをかじるのはアゲハチョウの幼虫だけではなく、ガの幼虫もよく見かけます。気づかずに皮膚に直接あたってしまうと、毒針毛が刺さって大変痛痒い思いをします。どんなに暑くても、樹木に触れる時は長袖&軍手は必須です。皆さんも気をつけてくださいね。

2019年02月16日

積雪

先日は豊島でも久しぶりに雪が積もりました。朝起きてカーテンを開けたら、外は一面の銀世界。予想外の積雪に慌ててレモン畑に急ぎました。これらの写真は唐櫃岡の畑の様子。霧がかかって幻想的ですが、レモンのことが心配で景色を愛でる余裕はありませんでした。

これらの畑のレモンはほとんど収穫を終えていたので、まだレモンが残っている唐櫃浜の畑に急ぎました。驚いたことに、海に近く、標高の低い唐櫃浜ではまったく雪が積もっておらず、まるで別世界のよう。こんな小さな島の中でも、場所によってこれ程天気の影響に差があります。

現在樹上で越冬中のレモンは、もう少し成長を待ってから出荷しようと思っています。インターネットでの販売は残りわずかとなりますが、3月上旬頃を予定していますので、時々ショップページを覗いて頂けますと幸いです。皆さまにはご面倒をおかけして申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いします。

2019年01月20日

越冬レモン

年が明け、あっという間に20日が過ぎてしまいました。昨年と比べると、今年の寒さは随分と穏やかで、今期実をつけていないレモンの樹々は葉を青々と茂らせています。

豊島レモンは毎年樹上で越冬します。冷害を受けやすい場所にある畑のレモンは収穫が終わりましたが、比較的寒さから守られている畑のレモンは、まだ少しづつ成長を続けています。

樹上で過ごす時間が長くなる程、レモン果皮にできる斑点やザラザラは多くなります。こちらはかいよう病という細菌性の病気で、雨風によって病原菌が運ばれます。コルク状の斑点は大きくなると裂果をひきおこしますが、小さいものはナイフで簡単に切り取ることができます。

無農薬栽培の柑橘でよく見かける、こちらの小さな黒い点々は黒点病と呼ばれます。 枯枝などが伝染源になり、雨風で飛散した病原菌が皮の表面について黒点ができます。どちらの病気も薬剤散布である程度予防できますが、豊島レモンでは一切の農薬を使用せずに露地栽培をしているため、これらの病気を防ぐことは難しく、栽培環境を整えることや、樹の勢いを強く保つよう心がけることで対応しています。

斑点や雨風に吹かれてできる傷はまた少し増えましたが、樹上で冬を越しながらゆっくり熟したレモンは酸味の中にも甘みがあり濃厚な味わいです。年を重ね、 皺やシミ、傷跡を増やしながら味が出てくる人間と重なるところもあり、レモンに親近感を覚える今日この頃です。

長らくお休みしているレモンの出荷は1月末か、2月に入ってからになるかもしれません。今期は出荷できるレモンが残り少なくなり、毎年豊島レモンを楽しみにして下さっている皆さまにはご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、どうか気長にお待ち頂けますと幸いです。