blogレモン便り

2019年01月20日

越冬レモン

年が明け、あっという間に20日が過ぎてしまいました。昨年と比べると、今年の寒さは随分と穏やかで、今期実をつけていないレモンの樹々は葉を青々と茂らせています。

豊島レモンは毎年樹上で越冬します。冷害を受けやすい場所にある畑のレモンは収穫が終わりましたが、比較的寒さから守られている畑のレモンは、まだ少しづつ成長を続けています。

樹上で過ごす時間が長くなる程、レモン果皮にできる斑点やザラザラは多くなります。こちらはかいよう病という細菌性の病気で、雨風によって病原菌が運ばれます。コルク状の斑点は大きくなると裂果をひきおこしますが、小さいものはナイフで簡単に切り取ることができます。

無農薬栽培の柑橘でよく見かける、こちらの小さな黒い点々は黒点病と呼ばれます。 枯枝などが伝染源になり、雨風で飛散した病原菌が皮の表面について黒点ができます。どちらの病気も薬剤散布である程度予防できますが、豊島レモンでは一切の農薬を使用せずに露地栽培をしているため、これらの病気を防ぐことは難しく、栽培環境を整えることや、樹の勢いを強く保つよう心がけることで対応しています。

斑点や雨風に吹かれてできる傷はまた少し増えましたが、樹上で冬を越しながらゆっくり熟したレモンは酸味の中にも甘みがあり濃厚な味わいです。年を重ね、 皺やシミ、傷跡を増やしながら味が出てくる人間と重なるところもあり、レモンに親近感を覚える今日この頃です。

長らくお休みしているレモンの出荷は1月末か、2月に入ってからになるかもしれません。今期は出荷できるレモンが残り少なくなり、毎年豊島レモンを楽しみにして下さっている皆さまにはご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、どうか気長にお待ち頂けますと幸いです。

2018年11月06日

グリーンレモン

今年もグリーンレモンの収穫が始まりました!といっても、今年は収穫量が非常に少なく、昨年の4分の1程しか出荷できず受付終了となりました。早々に完売となってしまい、ご注文頂けなかった皆さまには大変申し訳なく思っています。次回は11月末頃から色づき始めた豊島レモンの出荷を始める予定ですので、もうしばらくお待ちくださいませ。

背負いの収穫かごに手摘みされた豊島レモンは、ひとつひとつ丁寧に箱詰めされ、全国に送り出されます。きちんと並べられたレモンは、なんとなく誇らしげで、これから旅立つ場所に思いを馳せているようにも見えます。

レモンの果皮だけではなく、葉にも香り成分が詰まった油胞と呼ばれる粒々があり、葉を少しちぎったり揉んだりすると、油胞が弾けて爽やかでスパイシーな香りが広がります。tilでは年間を通して一切の農薬を使用していないので、レモンの果実だけではなく、葉っぱもお料理に使ったり、ハーブティーに入れたり、お風呂に入れたり等々、色々な使い方をお楽しみください。

 

2018年10月23日

10月のレモン畑

朝夕と冷え込む季節になりました。朝早くレモン畑に行くと、樹々を覆う蜘蛛の巣についた朝露がキラキラしてとてもきれいです。10月はカマキリの産卵シーズンのようで、ソフトクリームを作るようにお尻を回しながら産卵している姿をよく見かけます。

今年は春に咲いた花があまり結実しなかったせいか、秋花が多く結実しました。一般的に、レモンの秋花は結実しても冬の寒さで落ちてしまうことが多く、春に結実したレモンの成長を優先するために摘花されるそうです。豊島レモンでは判断をレモンの樹々にお任せしています。

来週から今期グリーンレモンの販売受付が始まります。今年は年明けの寒波の影響で実りが非常に少なく、グリーンレモンの出荷数は例年の半分以下になる見込みです。各週で限定数の受付となりますので、楽しみにして下さっている皆さまにはご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。今年実をつけていないレモンの樹々は、樹勢の回復に専念できるので、きっと来年にはまた多くのレモンを実らせてくれると思います。人間もレモンも、時には休息が必要ですね。

最後になりましたが、先日東京新橋の香川・愛媛せとうち旬彩館にお越し下さった皆さま、ありがとうございました。3日間の出店でしたが、豊島レモンを多くの方々に知って頂き、いつも豊島レモンを応援して下さっている方々にもお会いできて、とても充実した時間を過ごすことができました。機会があれば、また採りたてレモンと加工品を持って、レモン好きの皆さまとお会いできればと思います。

2018年08月15日

恵みの雨

本日、やっと豊島にも恵みの雨が降り注ぎました。猛暑が続く中、二週間以上全く雨が降らず、レモンの葉が乾燥で巻き始めていたところでした。

今年は今までにない凶作で、多くの花が結実せずに落ちてしまいました。特に凍傷被害を受けたレモン畑の実は数える程で、僅かでも収穫できることのありがたさを改めて感じています。

冬に凍傷で枯れてしまったレモンは、樹上で干からびて真っ黒になりました。来シーズンは寒波が来ませんように・・・と祈りつつ、枯れた枝を除去しています。

今年はカミキリムシの枝の食害をよく見かけます。カミキリムシは放っておくと幹に穴をあけて産卵し、幼虫は幹の中を食い荒らして樹を枯らしてしまいます。この昆虫だけは見つけ次第捕殺するのですが、レモン畑を囲む山からも飛来するので、捕りきることは不可能です。レモンの樹が樹勢を強く保つことができれば、このような被害は減るそうなので、樹が元気になるようにこれからもお手伝いを頑張りたいと思います。

2018年04月10日

芽吹き

葉桜の美しい季節となりました。レモン畑では紫色の新芽が出始め、花芽も日々ふっくらと成長しています。弱々しく見えた葉は色艶が随分と良くなり、凛と立ち上がった枝葉に植物の逞しさを感じます。

丸い花芽はピンク色のつぼみに成長し、真っ白な花が咲きます。剪定作業で忙しく、桜のお花見はできませんでしたが、来月にはレモンのお花見を楽しみたいと思います。

最近は剪定作業を優先して進めていましたが、そろそろ草刈作業も始めなければならないので、合間合間で少しづつ出荷作業も再開しようと思います。少量づつ在庫数を更新しますので、時々WEBショップを覗いて頂けますと幸いです。

2018年03月16日

レモン畑の様子

厳しかった寒さが嘘のように暖かくなり、レモン畑はすっかり春めいてきました。1月から2月にかけての強烈な寒波により大打撃を受けたレモン畑ですが、凍傷被害を受けたレモンについて質問されることが多いので参考までに画像を載せておきます。

樹上で凍ってしまったレモンの実は、時間の経過とともに水分が抜けて枯れてゆきます。寒さに耐えた果実は、暖かくなるにつれ皮に張りが戻り、果汁はぐっと濃厚になります。

見た目は大丈夫そうでも、切ってみると中の果汁が抜けているレモンもあります。このようなレモンは、手に取った時の重さで大体わかりますが、部分的に果汁が少なくなっているものは切ってみないとわかりません。

低温によって葉は落葉し、枝は先端から枯れ込みます。一見すると枯死してしまいそうですが、枯れ枝に交じってしっかりした緑の枝葉があれば一安心です。4月になるとたくさんの新芽が出始め、美しい新緑で私たちの目を楽しませてくれることでしょう。

痛々しいレモンの姿を写真に撮るのはとても辛いことですが、栽培現場の現実としてこのような側面もお伝えできればと思いました。越冬レモンに、より一層愛情と親しみをもって頂ければ幸いです。

2018年02月11日

Lemon Drizzle Cake

1月下旬から2月上旬にかけて凍えるような寒さが続き、多くのレモンが凍傷被害にあってしまいました。凍傷にもいろいろあり、果皮が凍って枯れていくものや、見た目は大丈夫そうでも、中の果汁が凍ってしまい徐々に枯れていくものもあります。あまりに長く低温が続き、現時点では出荷可能なレモンの判別がつき難いので、もうしばらく様子を見たいと思います。お待ち頂いている皆さんにはご不便をおかけしますが、どうぞ気長にお待ち頂ければと思います。

そんな中、いつも豊島レモンをお店で使って下さっている群馬県のパン屋さんが、凍傷で果汁が苦くなってしまったレモンで Lemon Drizzle Cake というお菓子を焼いてくださいました。

ケーキの生地にすりおろした皮を使い、果汁は焼き上がり後に生地に塗るシロップとアイシングに使用されたそうです。果汁の苦みは全く感じられず、とっても爽やかで甘酸っぱいケーキに生まれ変わりました。さすが職人さんです。「豊作も不作もみんなでシェアできるような世の中になると良いですね」という優しいお言葉と、美味しいレモンのお菓子にたくさん元気をもらいました。ありがとうございました。

豊島レモンをたっぷりと使用したこちらのケーキは、ホワイトデーに合わせて販売を予定されているそうです。その他にも、お店には原材料にこだわった素敵なパンがたくさん並びます。お近くにお越しの際には是非お立ち寄りください!

THE BAKERY(ザ・ベーカリー)
群馬県桐生市相生町3丁目591−2

2018年02月10日

「豊島レモンと塩こうじの教室」報告

寒波の到来で開催が危ぶまれた「豊島レモンと塩こうじの教室」ですが、寒さをしのいだ一部のレモン畑で無事開催することができました。普段レモン畑を訪れる機会のない方々にとっては、樹になっているレモンがとても新鮮だったようで、皆さん楽しそうに気に入ったレモンを手に取り収穫されていました。生産者としては、レモンに興味を持っていらっしゃる方々と直接お話ができる素晴らしい機会となり、私たちのレモン栽培に対する思いをお伝えできて大変充実した時間となりました。

レモン畑の次は、採りたてのレモンを使ったお料理教室。講師の宮島草子さんに塩レモン・塩こうじ・みりんレモンを美味しく仕込むコツを伝授して頂き、ご自身の体験談を交えて食と身体の繋がりや発酵食が体にもたらす変化など興味深いお話もたくさん聞かせて頂きました。豊島天日塩ファームの門脇さんも立ち寄ってくださり、原材料の生産者から直接お話が聞ける、楽しいお料理教室となりました。

そして、お待ちかねのお食事タイム!ゲストハウスmammaさんが用意して下さった素敵なお料理はこちら。塩麹漬け蒸し鶏、塩レモンのケークサレ、豊島産タコマリネ、レモンピクルス、野菜の塩麹スープ、豊島の棚田米にレモンの海苔佃煮を添えて。宮島さんが大豆栽培から始めて作り上げたお味噌と、tilのレモン胡椒も薬味として登場しました。デザートのレモンぜんざいには、草子農園の自然栽培大豆の粗挽きな粉とレモンの皮をおすりおろしてトッピング。さらにレモンをきゅっと絞ると、香ばしい香りと爽やかな香りが混ざり合い、美味しい~!!という声があがりました。

盛りだくさんの内容で開催されたレモン教室。ご自身で仕込んだ発酵食と一緒に、日々の食事にレモンを取り入れるヒントもお持ち帰り頂けたのではと思います。

やはり食というものは、生産する人、料理する人、食べる人、みんなが繋がることで安心が生まれ、お互い支えあうことで成り立っていくものだと再認識しました。今回ご参加下さった皆さん、ご協力下さった皆さん、本当にありがとうございました!

2018年01月25日

レモンシャーベット

昨日からの強烈な寒さで、残念ながら今年もレモンが凍傷被害を受けてしまいました。今朝、畑でレモンを切ってみると、なんと中がシャーベット状に!ほんのり甘くて美味しいといえば美味しいですが、解けた後は皮の苦みが果汁に移り、いつもの爽やかで優しい酸っぱさはなくなってしまいます。この寒さでは、仕方がありませんね。

レモン畑は島内に分散しており、海に近く標高の低い場所にある畑のレモンは一見したところ大丈夫そうなものもありましたが、時間が経ってみないとわかりません。一日も早く寒さが落ち着いて、レモンが元気になりますように・・・。

2018年01月16日

「豊島レモンと塩こうじの教室」その➁

昨日は、会場となるゲストハウスmammaさんで、レモン教室でお出しする食事の打ち合わせをしました。

お料理を担当して下さるmammaスタッフの方がいろいろと試行錯誤して下さり、とても素敵なメニューになりました。詳しい内容は当日のお楽しみですが、豊島レモンがたっぷり使われるのはもちろんのこと、てしま天日塩ファームさんのお塩で仕込んだ塩糀、豊島で生まれた自然卵ヨベルさんの卵、豊島産一番海苔やタコなどなど、豊島の旬の食材を使ったシンプルで身体に優しいお料理です(グルテンフリー!)。

1月27日(土)に開催予定のレモン教室は、まだ空きがありますので、是非この機会に美味しい冬の豊島にお越しください。