blogレモン便り

2019年08月30日

豊島レモンの香り

豊島レモンといえば、果皮の美味しさと、とびきり爽やかな香りが特徴としてあげられます。私達が日々清々しい気分で農作業に取り組むことができるのはレモンの香りのおかげ。落ち込んだ時も、いつもレモンの香りに癒されてきたので、いつかこの香りを精油にしてみたいと思っていました。そして今回、試験的に果汁を搾った後の果皮を利用して豊島レモンの精油を抽出してもらいました!

精油とは植物から抽出される、それぞれ特有の芳香をもった揮発性の天然油のことで、異なる性質や機能をもっています。例えば、レモンの精油はそのフレッシュな香りによるリラックス効果、集中力を高める効果があると言われており、アロマテラピーの本ではその他にもたくさんの効果・効能が紹介されています。

一般的に精油の抽出は水蒸気で蒸留する方法や、圧搾して絞り出す方法がありますが、今回はマイクロ波減圧蒸留法(※1)を用いることで、比較的低温でレモン果皮から香りを取り出すことができました。 レモン精油には光毒性(※2)をもつ成分が含まれていると言われますが、今回抽出した精油の成分分析をしたところ、強い光毒性をもつベルガプテンという成分は含まれていないこともわかりました。そして、気になる豊島レモン精油の香りは、爽やかさの中にも甘みが感じられるとても優しい香りでした!目を閉じると、瀬戸内海を臨むレモン畑が浮かんできそうです。

実はこの精油、レモン果皮の重量の1~0.5%程しか抽出することができないとても貴重なものなのです。精油を抽出するためには多くのレモン果皮が必要になりますが、当然ながら、栄養がたっぷり詰まったレモンの皮は食品として消費されることが一番。そこで、皮に傷や病害が多くある業務用レモンの果汁を搾る時に出る残渣を利用しています。そして精油を抽出する時にでる残渣と芳香蒸留水も再利用できるよう商品開発を進めていますので、何ができるか皆さまどうぞお楽しみに!

今回抽出した豊島レモン精油は、豊島観光協会のみで販売しておりましたが、数量限定で豊島レモンWEBショップでも販売します。ご希望の方はお早めにご注文頂けますと幸いです。

※1 マイクロ波を用いて減圧下で対象物を加熱し精油抽出を行う方法 

※2 肌につけた状態で日光などの強い紫外線に当たると、肌へダメージを与える作用のこと

2019年08月25日

「豊島グリーンレモン教室」その➀

10月開催予定の料理教室では、ご自身で収穫して頂いた新鮮な豊島グリーンレモンを使って、青レモン胡椒とレモンポン酢を作ります。レモン胡椒には主に果皮を使い、残った果汁はレモンポン酢に使います。今日は、このレモンポン酢の味の決め手となる伊吹島のいりこのご紹介です。

香川県にある伊吹島は日本一のいりこ漁の島。特級品しかないといわれるくらい質がいいそうです。それは、島の港に設置した加工場で、水揚げから10〜30分以内に釜茹でし、その後すぐに乾燥されます。その鮮度は生きたまま釜にいれられたイワシがもがき顎が外れてしまうこの表情でわかるそうです。

伊吹島のいりこ漁は 夏場約2ヶ月の間のみ行われます。伊吹島のいりこがなければ、讃岐うどんが始まらないと言われる程大切なもの。漁師さんや島の方々の頑張りが詰まった海の幸を、10月のレモン教室でも大切に使わせて頂きます。皆さま、どうぞお楽しみに!

豊島グリーンレモンの料理教室 詳細はコチラ☆

2019年08月09日

夏のレモン畑

梅雨明けから猛暑が続いていますが、皆さまいかがお過ごしですか?レモン畑では真夏の強い日差しを浴びながら、まだ小さなグリーンレモンがキラキラと輝いています。

猛暑の中、レモンの樹々の周りでは様々な生き物が活発に動き回っています。頻繁に見かけるカマキリや蜘蛛は、レモンの葉っぱを食い荒らす虫を食べてくれるありがたい存在です。

同じく頻繁に見かけるバッタやアゲハチョウの幼虫は、レモンの葉っぱが大好物という困った昆虫ですが、自然の食物連鎖の中では、彼らにも立派な役割があります。苛立つことがあっても、農薬で駆除するようなことはしません。生態系のバランスを保つためには、多種多様な生き物がいることがとても大切なのです。

こちらはとても珍しい、脱皮前の蝉の幼虫です。日没後、まだ明るい時に出てきてしまったようで、ナマケモノのようにゆっくりと動いていました。セミの抜け殻は、レモン畑の至る所にぶら下がっていますが、脱皮前の蝉を見たのは初めて。毎日農作業をしていると、珍しい瞬間に遭遇することがよくあります。

こちらもレモン畑ではおなじみのアオバハゴロモの幼虫と成虫です。幼虫はふわふわの白い綿のような分泌物に覆われていて、白髭をたくわえたおじいさんの様に見えます。成虫は若葉色の美しい羽根を持っており、最初は同じ生物だと思いませんでした。

最後の画像はアシナガバチです。先日初めてアシナガバチに刺されて、左腕が三日間ほど腫れてしまいました。アシナガバチだけでなく、スズメバチも気づかないうちにレモンの樹に巣を作っていることがあるので、夏の作業時は細心の注意を払わなければなりません。この季節、山歩きをする時など、皆さんも蜂の巣にはくれぐれもお気をつけください!