豊島レモンといえば、果皮の美味しさと、とびきり爽やかな香りが特徴としてあげられます。私達が日々清々しい気分で農作業に取り組むことができるのはレモンの香りのおかげ。落ち込んだ時も、いつもレモンの香りに癒されてきたので、いつかこの香りを精油にしてみたいと思っていました。そして今回、試験的に果汁を搾った後の果皮を利用して豊島レモンの精油を抽出してもらいました!
精油とは植物から抽出される、それぞれ特有の芳香をもった揮発性の天然油のことで、異なる性質や機能をもっています。例えば、レモンの精油はそのフレッシュな香りによるリラックス効果、集中力を高める効果があると言われており、アロマテラピーの本ではその他にもたくさんの効果・効能が紹介されています。
一般的に精油の抽出は水蒸気で蒸留する方法や、圧搾して絞り出す方法がありますが、今回はマイクロ波減圧蒸留法(※1)を用いることで、比較的低温でレモン果皮から香りを取り出すことができました。 レモン精油には光毒性(※2)をもつ成分が含まれていると言われますが、今回抽出した精油の成分分析をしたところ、強い光毒性をもつベルガプテンという成分は含まれていないこともわかりました。そして、気になる豊島レモン精油の香りは、爽やかさの中にも甘みが感じられるとても優しい香りでした!目を閉じると、瀬戸内海を臨むレモン畑が浮かんできそうです。
実はこの精油、レモン果皮の重量の1~0.5%程しか抽出することができないとても貴重なものなのです。精油を抽出するためには多くのレモン果皮が必要になりますが、当然ながら、栄養がたっぷり詰まったレモンの皮は食品として消費されることが一番。そこで、皮に傷や病害が多くある業務用レモンの果汁を搾る時に出る残渣を利用しています。そして精油を抽出する時にでる残渣と芳香蒸留水も再利用できるよう商品開発を進めていますので、何ができるか皆さまどうぞお楽しみに!
今回抽出した豊島レモン精油は、豊島観光協会のみで販売しておりましたが、数量限定で豊島レモンWEBショップでも販売します。ご希望の方はお早めにご注文頂けますと幸いです。
※1 マイクロ波を用いて減圧下で対象物を加熱し精油抽出を行う方法
※2 肌につけた状態で日光などの強い紫外線に当たると、肌へダメージを与える作用のこと