賑やかだった瀬戸内国際芸術祭が終わり、豊島に心地よい静けさが戻ってきました。秋が深まるにつれ、紅葉はより鮮やかになり、畑のレモンは深い緑から優しい黄色へ少しづつ変化しています。 昨年とは打って変わって、枝もたわわに実るレモンに感謝する日々です。
11月にお送りするレモンは緑から黄色への美しいグラデーションと、黄色く熟すことで穏やかになっていく酸味や香りの変化も楽しんで頂けます。箱にお行儀よく収まって出荷を待つレモンの姿は本当に愛らしく、いつも笑顔で送り出しています。
今期は多くの実りがありますが、昨季の暖冬の影響かどうか、レモンの果皮にコルク状の斑点ができる「かいよう病」が例年より広く見受けられます。樹上で過ごす時間が長くなればなる程、これらの病害や黒点病と呼ばれる黒い点々は雨や風によって広がり、トゲによる傷なども増えるため、無傷のレモンはとても少なくなります。
しかし、これらも自然なこと。人間も年を重ねるにつれ虫歯ができたり、怪我をしたり、様々な変化を身体に残して生きていきます。どのような外見でも新鮮なレモンは爽やかな芳香を放ち、傷ついた部分を取り除けば皮も食べられ、果汁にはまったく問題はありません。ツルツルぴかぴかのレモンも、ザラザラでこぼこのレモンもそれぞれレモンの個性として受け入れて頂けると幸いです。