厳しかった寒さが嘘のように暖かくなり、レモン畑はすっかり春めいてきました。1月から2月にかけての強烈な寒波により大打撃を受けたレモン畑ですが、凍傷被害を受けたレモンについて質問されることが多いので参考までに画像を載せておきます。
樹上で凍ってしまったレモンの実は、時間の経過とともに水分が抜けて枯れてゆきます。寒さに耐えた果実は、暖かくなるにつれ皮に張りが戻り、果汁はぐっと濃厚になります。
見た目は大丈夫そうでも、切ってみると中の果汁が抜けているレモンもあります。このようなレモンは、手に取った時の重さで大体わかりますが、部分的に果汁が少なくなっているものは切ってみないとわかりません。
低温によって葉は落葉し、枝は先端から枯れ込みます。一見すると枯死してしまいそうですが、枯れ枝に交じってしっかりした緑の枝葉があれば一安心です。4月になるとたくさんの新芽が出始め、美しい新緑で私たちの目を楽しませてくれることでしょう。
痛々しいレモンの姿を写真に撮るのはとても辛いことですが、栽培現場の現実としてこのような側面もお伝えできればと思いました。越冬レモンに、より一層愛情と親しみをもって頂ければ幸いです。