blogレモン便り

2020年02月06日

完熟レモンと斑点と搾汁

2月になり、畑のレモンはすっかり黄色くなりました。豊島レモンは全て露地で栽培されており、収穫までずっと樹上で過ごすため、この時期になるとレモンの皮にはトゲによる擦り傷や病害、寒さによる斑点がたくさん見られます。

こちらは寒くなるとでてくる陥没のような斑点(画像上)。半分に切ってみると、凹んだ部分の皮が少し茶色くなっていますが、果肉部分には問題ありません(画像下)。時間が経つと凹みがより目立つようになりますが、腐っているわけではないのでどうぞご心配なく。寒さを経たレモンの果汁は濃厚で甘みが感じられ、皮も苦みが少なく食べやすくなっています。凹んだ部分を切り取って、是非皮ごとお召し上がりください。

話は変わりますが、先日たくさんの完熟レモンを収穫して、レモン果汁の搾汁に行ってきました。総量なんと2トン!収穫のお手伝いをして下さった方々、本当にありがとうございました。お天気も良く、収穫作業の休憩時間はピクニックのようでとても楽しかったです。

豊島レモンのレモン果汁は、収穫から搾汁までの期間が短く、新鮮なレモンを皮ごと搾汁するので、果皮の精油がしっかりと含まれた香り高いレモン果汁となっています。搾汁後は加熱殺菌をせず、搾りたての風味を生かすためすぐに冷凍保存します。現在、豊島レモン果汁は業務用のみの取り扱いで、受注生産となりますが、ご興味のある方は是非お問合せ下さい。

今回搾汁したレモン果汁はお菓子の原料として納品したので、美味しいお菓子になって日本中に旅立っていくことでしょう。因みに、今年も残ったレモン果皮からレモン精油を抽出したので、2月下旬に販売開始予定です。皆さま是非お楽しみに!

2019年12月17日

冬らしいレモン畑の景色

瀬戸内海に囲まれた豊島では穏やかな冬晴れが続いています。農作業ははかどりますが、暖かすぎる冬は逆に少し心配になり、反動で強烈な寒波が来ませんように・・・とお天道様にお願いしています。

レモン畑の周りでは野生の雉や猪が元気に駆け回っています。ケーンという鳴き声と共に突然飛び立つ雉には頻繁に驚かされ、最近では昼間でも茂みからブヒブヒというイノシシの鼻息が聞こえてきます。島内では、イノシシに畑を荒らされて農業や家庭菜園をやめる方が多くいらっしゃり、今年は私も囲いを破られてサツマイモやスイカを食べられてしまいました。全国各地で問題になっている獣害は、統計にはでてこない家庭菜園などの被害も考えると想像以上に深刻だと実感しています。

霜が降り始めても、レモンの 樹上では茶色いカマキリがひっそりと獲物を待ち伏せしています。カマキリは卵だけが越冬して、春にはたくさんの赤ちゃんカマキリが生まれ、この時季まで様々な昆虫を捕食しながら成長します。レモン畑ではおなじみの昆虫なので、もうすぐ生涯を終えることを思うと少し寂しくなりますが、これも命の循環。また来年新しい命に出会えることを楽しみに農作業に勤しみます。

穏やかな天候が続く中、畑のレモンは日々色づきを増しています。お尻の緑はしばらく残りますが、熟したレモンは黄色というより山吹色に近くなり、香りにも甘みが出てきます。夏のイメージが強いレモンですが、寒くなるこれからの季節が黄色いレモンの旬です。 だし醤油にレモン果汁を加えた手作りレモンポン酢でいただくお鍋や、定番のホットはちみつレモンなど、栄養豊富なレモンをお料理に取り入れて、元気に冬を乗り越えましょう!

追記: 個人的なおススメは、お風呂上がりに飲む香り高いレモン水。櫛切りにしたレモン一切れを皮を下にして搾り、そののまま水の中へポチャリ。とにかく最高です。

2019年11月23日

11月のレモン

賑やかだった瀬戸内国際芸術祭が終わり、豊島に心地よい静けさが戻ってきました。秋が深まるにつれ、紅葉はより鮮やかになり、畑のレモンは深い緑から優しい黄色へ少しづつ変化しています。 昨年とは打って変わって、枝もたわわに実るレモンに感謝する日々です。

11月にお送りするレモンは緑から黄色への美しいグラデーションと、黄色く熟すことで穏やかになっていく酸味や香りの変化も楽しんで頂けます。箱にお行儀よく収まって出荷を待つレモンの姿は本当に愛らしく、いつも笑顔で送り出しています。

今期は多くの実りがありますが、昨季の暖冬の影響かどうか、レモンの果皮にコルク状の斑点ができる「かいよう病」が例年より広く見受けられます。樹上で過ごす時間が長くなればなる程、これらの病害や黒点病と呼ばれる黒い点々は雨や風によって広がり、トゲによる傷なども増えるため、無傷のレモンはとても少なくなります。

しかし、これらも自然なこと。人間も年を重ねるにつれ虫歯ができたり、怪我をしたり、様々な変化を身体に残して生きていきます。どのような外見でも新鮮なレモンは爽やかな芳香を放ち、傷ついた部分を取り除けば皮も食べられ、果汁にはまったく問題はありません。ツルツルぴかぴかのレモンも、ザラザラでこぼこのレモンもそれぞれレモンの個性として受け入れて頂けると幸いです。

2019年10月24日

グリーンレモンの出荷開始

 おかげ様で、今年もレモンの収穫シーズンを迎えることができました!早速多くのご注文を頂き誠にありがとうございます。いつも注文してくださる方々のお名前を拝見して、感謝の気持ちでいっぱいになりました。今期もどうぞよろしくお願い致します。

 艶やかでぷっくりと成長したグリーンレモンの香りは、目が覚めるような爽やかさです。 収穫量が激減した昨年と比較すると、今期は樹勢も回復して多くのレモンを実らせてくれました。冬の寒さを乗り越えることができれば、春のレモンから夏のレモンへと、来年6月頃まで少しづつ出荷を続けられそうです。

 収穫から梱包、出荷まで一人で作業をしているため、お届けまで少々お時間を頂きますが、採りたて新鮮なグリーンレモンをお送りしますので、どうぞ楽しみにお待ちください。ご注文の受付は一旦締め切らせて頂きましたが、現在頂戴しているご注文分の発送が終わりましたら、畑の状況を見ながら受付在庫数を随時更新する予定です。ご面倒をおかけしますが、時折WEBショップを覗いて頂けますと幸いです。どうぞよろしくお願い致します。

2019年08月09日

夏のレモン畑

梅雨明けから猛暑が続いていますが、皆さまいかがお過ごしですか?レモン畑では真夏の強い日差しを浴びながら、まだ小さなグリーンレモンがキラキラと輝いています。

猛暑の中、レモンの樹々の周りでは様々な生き物が活発に動き回っています。頻繁に見かけるカマキリや蜘蛛は、レモンの葉っぱを食い荒らす虫を食べてくれるありがたい存在です。

同じく頻繁に見かけるバッタやアゲハチョウの幼虫は、レモンの葉っぱが大好物という困った昆虫ですが、自然の食物連鎖の中では、彼らにも立派な役割があります。苛立つことがあっても、農薬で駆除するようなことはしません。生態系のバランスを保つためには、多種多様な生き物がいることがとても大切なのです。

こちらはとても珍しい、脱皮前の蝉の幼虫です。日没後、まだ明るい時に出てきてしまったようで、ナマケモノのようにゆっくりと動いていました。セミの抜け殻は、レモン畑の至る所にぶら下がっていますが、脱皮前の蝉を見たのは初めて。毎日農作業をしていると、珍しい瞬間に遭遇することがよくあります。

こちらもレモン畑ではおなじみのアオバハゴロモの幼虫と成虫です。幼虫はふわふわの白い綿のような分泌物に覆われていて、白髭をたくわえたおじいさんの様に見えます。成虫は若葉色の美しい羽根を持っており、最初は同じ生物だと思いませんでした。

最後の画像はアシナガバチです。先日初めてアシナガバチに刺されて、左腕が三日間ほど腫れてしまいました。アシナガバチだけでなく、スズメバチも気づかないうちにレモンの樹に巣を作っていることがあるので、夏の作業時は細心の注意を払わなければなりません。この季節、山歩きをする時など、皆さんも蜂の巣にはくれぐれもお気をつけください!

2019年06月28日

やっと梅雨入り

極端な少雨と日照りが続いた5月が終わり、雨を待ち望む日々がさらに続いた6月。四国地方もやっと梅雨入りしました!雨が少ないと下草が伸びるスピードが遅いので草刈りは楽になりますが、新しいレモンの成長の為には梅雨がとても大事。程々の雨が続くことを祈りながら、合間で草刈りは続きます。

こちらは草刈りのビフォア&アフター。この作業を春から秋にかけて、複数あるすべての圃場で3回程繰り返します。

昨年は今迄にない凶作だった為、レモンの出荷量が激減しましたが、今年は昨年よりずっと多くの花が結実したので、秋の収穫シーズンが今から楽しみです。その前に、夏の猛暑と台風をレモン達が無事に乗り切れるようお天道さまにお願いしながら、地道な草刈り作業を頑張ります。

春から夏にかけてレモンの葉っぱをかじるのはアゲハチョウの幼虫だけではなく、ガの幼虫もよく見かけます。気づかずに皮膚に直接あたってしまうと、毒針毛が刺さって大変痛痒い思いをします。どんなに暑くても、樹木に触れる時は長袖&軍手は必須です。皆さんも気をつけてくださいね。

2019年02月16日

積雪

先日は豊島でも久しぶりに雪が積もりました。朝起きてカーテンを開けたら、外は一面の銀世界。予想外の積雪に慌ててレモン畑に急ぎました。これらの写真は唐櫃岡の畑の様子。霧がかかって幻想的ですが、レモンのことが心配で景色を愛でる余裕はありませんでした。

これらの畑のレモンはほとんど収穫を終えていたので、まだレモンが残っている唐櫃浜の畑に急ぎました。驚いたことに、海に近く、標高の低い唐櫃浜ではまったく雪が積もっておらず、まるで別世界のよう。こんな小さな島の中でも、場所によってこれ程天気の影響に差があります。

現在樹上で越冬中のレモンは、もう少し成長を待ってから出荷しようと思っています。インターネットでの販売は残りわずかとなりますが、3月上旬頃を予定していますので、時々ショップページを覗いて頂けますと幸いです。皆さまにはご面倒をおかけして申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いします。

2018年11月06日

グリーンレモン

今年もグリーンレモンの収穫が始まりました!といっても、今年は収穫量が非常に少なく、昨年の4分の1程しか出荷できず受付終了となりました。早々に完売となってしまい、ご注文頂けなかった皆さまには大変申し訳なく思っています。次回は11月末頃から色づき始めた豊島レモンの出荷を始める予定ですので、もうしばらくお待ちくださいませ。

背負いの収穫かごに手摘みされた豊島レモンは、ひとつひとつ丁寧に箱詰めされ、全国に送り出されます。きちんと並べられたレモンは、なんとなく誇らしげで、これから旅立つ場所に思いを馳せているようにも見えます。

レモンの果皮だけではなく、葉にも香り成分が詰まった油胞と呼ばれる粒々があり、葉を少しちぎったり揉んだりすると、油胞が弾けて爽やかでスパイシーな香りが広がります。tilでは年間を通して一切の農薬を使用していないので、レモンの果実だけではなく、葉っぱもお料理に使ったり、ハーブティーに入れたり、お風呂に入れたり等々、色々な使い方をお楽しみください。

 

2018年10月23日

10月のレモン畑

朝夕と冷え込む季節になりました。朝早くレモン畑に行くと、樹々を覆う蜘蛛の巣についた朝露がキラキラしてとてもきれいです。10月はカマキリの産卵シーズンのようで、ソフトクリームを作るようにお尻を回しながら産卵している姿をよく見かけます。

今年は春に咲いた花があまり結実しなかったせいか、秋花が多く結実しました。一般的に、レモンの秋花は結実しても冬の寒さで落ちてしまうことが多く、春に結実したレモンの成長を優先するために摘花されるそうです。豊島レモンでは判断をレモンの樹々にお任せしています。

来週から今期グリーンレモンの販売受付が始まります。今年は年明けの寒波の影響で実りが非常に少なく、グリーンレモンの出荷数は例年の半分以下になる見込みです。各週で限定数の受付となりますので、楽しみにして下さっている皆さまにはご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。今年実をつけていないレモンの樹々は、樹勢の回復に専念できるので、きっと来年にはまた多くのレモンを実らせてくれると思います。人間もレモンも、時には休息が必要ですね。

最後になりましたが、先日東京新橋の香川・愛媛せとうち旬彩館にお越し下さった皆さま、ありがとうございました。3日間の出店でしたが、豊島レモンを多くの方々に知って頂き、いつも豊島レモンを応援して下さっている方々にもお会いできて、とても充実した時間を過ごすことができました。機会があれば、また採りたてレモンと加工品を持って、レモン好きの皆さまとお会いできればと思います。

2018年08月15日

恵みの雨

本日、やっと豊島にも恵みの雨が降り注ぎました。猛暑が続く中、二週間以上全く雨が降らず、レモンの葉が乾燥で巻き始めていたところでした。

今年は今までにない凶作で、多くの花が結実せずに落ちてしまいました。特に凍傷被害を受けたレモン畑の実は数える程で、僅かでも収穫できることのありがたさを改めて感じています。

冬に凍傷で枯れてしまったレモンは、樹上で干からびて真っ黒になりました。来シーズンは寒波が来ませんように・・・と祈りつつ、枯れた枝を除去しています。

今年はカミキリムシの枝の食害をよく見かけます。カミキリムシは放っておくと幹に穴をあけて産卵し、幼虫は幹の中を食い荒らして樹を枯らしてしまいます。この昆虫だけは見つけ次第捕殺するのですが、レモン畑を囲む山からも飛来するので、捕りきることは不可能です。レモンの樹が樹勢を強く保つことができれば、このような被害は減るそうなので、樹が元気になるようにこれからもお手伝いを頑張りたいと思います。